TCFD提言に基づく情報開示

気候変動に関するコメダの考え方

当社グループは、“心にもっとくつろぎを”のミッションのもと、地球環境への配慮と社会課題の解決に取り組んでいます。2020年3月に、「気候変動への対応」 を含むマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

TCFDへの対応

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿って「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」 について以下のとおり開示します。

ガバナンス

当社グループは、気候変動への対策を、全社を挙げて取り組むべき重要課題としております。 代表取締役社長CEOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」では、事務局であるサステナビリティ推進部が各グループ会社と連携して、気候変動への対策を含むサステナビリティ活動に関する目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を行うことで、さまざまな施策を継続的に実施しています。
当委員会には取締役に加え、社外取締役(監査等委員)も委員として関与し、社内外の視点から助言を受けています。
また当社グループでは、2024年2月期より取締役の業績連動型株式報酬の一部にCO2削減についての評価指標を導入しました。対象取締役の業績との連動性を高めることにより、サステナビリティに関する取り組みをより一層推進します。

戦略

TCFDガイダンスの推奨(2℃以下のシナリオを含む異なる気候関連のシナリオを考慮し、組織戦略の強靭性・弾力性を記述する)に基づき、国際エネルギー機関(IEA)をはじめとする国際機関が公表する複数のシナリオや政府発行資料などを参考に2050年の世界観を作成しました。

2℃未満の世界観

2050年までの「ネットゼロ」達成に向けて、脱炭素に取り組む企業が評価され、取り組みが不十分な企業は淘汰される社会になると想定されます。炭素税の導入や、排出の規制強化により、サプライチェーン全体でネットゼロを目指す企業が増加していく中、特に主要原材料であるコーヒーにおいては、生産者や生産履歴が見える化されており、SDGsに即した原材料のニーズが高まるため、サステナブルな商品開発や、持続可能な調達による製品ラインナップの拡充が求められると想定しています。当社グループでは、コーヒー豆の分散調達や代替コーヒーの導入だけでなく、コーヒー以外では顧客嗜好に合った、環境に配慮したサステナブルな商品や、健康需要に沿った製品・サービスを開発することにより、持続的な事業の成長の実現を目指します。

4℃の世界観

化石燃料への依存が続き、大量消費、大量廃棄が継続する世界が想定されます。
気温上昇の影響により、2050年にアラビカ種の栽培に適した産地が50%減少するコーヒーの2050年問題が現実化すると、南アメリカ、アフリカ、アジアにおけるコーヒー生産量が減少し、世界的な生産量が現在の30%以下となり価格が高騰する可能性があります。さらに、世界的な人口増加に伴う需要の増加や異常気象による農作物への影響により、小麦や乳製品など、原材料の調達コストは、今後も上昇圧力が継続すると想定されます。気候変動に対応した新しい産地の開拓や代替コーヒーの導入、コーヒー以外の製品開発を収益機会ととらえたうえで新たな製品・サービスを検討します。また、自然災害の激甚化、頻発化が予測される中、国内の店舗や工場の水没リスク、操業停止リスクなど想定される様々なリスクに対し、強靭性・弾力性のあるサプライチェーンの構築やサステナブルな店舗開発などを通して、リスクの軽減を図ります。

気候変動によるリスク・機会

2℃および4℃将来シナリオに基づき想定されるリスク・機会を特定し、特に事業への影響が大きい項目については可能な限り定量評価を実施するとともに、定量評価が難しい項目については定性情報で財務影響を試算しました。
財務影響の前提となるシナリオについて、以下のシナリオに基づいて想定されるリスクと機会を把握し、事業への影響度について定性・定量評価を実施しています。


<想定した世界観> <分析に使用したシナリオ>
2℃未満の世界観 IEA(国際エネルギー機関)NZE 2050
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCP2.6
4℃の世界観 IEA(国際エネルギー機関)WEO 2022
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCP8.5

試算結果を基に、継続的に対応策を検討・実行するとともに、より精緻なリスクと機会の定量・定性的な把握に努めていきます。

分類 リスクの分類 リスク項目 時期 影響度
移行リスク 政策・法規制 エネルギーコストの高騰(光熱費) 中期
長期

移行リスク 政策・法規制 エネルギーコストの高騰(物流費) 中期
長期

移行リスク 政策・法規制 炭素税の導入 中期
長期

移行リスク 政策・法規制 脱プラスチックへの対応 中期
長期

移行リスク 市場 環境意識の高まりへの適応不足 中期
長期

物理リスク 慢性 原材料調達コストの高騰(コーヒー豆) 中期
長期

物理リスク 慢性 原材料調達コストの高騰(小麦等) 中期
長期

物理リスク 急性 台風やゲリラ豪雨などの被害 中期
長期

分類 機会の分類 機会の項目(大分類) 時期 影響度
機会 製品・サービス コーヒーだけではないくつろぎの提供 中期
長期

機会 市場 環境意識の高まりへの適応 中期
長期

機会 レジリエンス コーヒー豆の調達方法多様化 中期
長期

機会 レジリエンス 環境配慮型店舗の推進 中期
長期

機会 レジリエンス 店舗で提供する食材の高付加価値化 中期
長期

リスクと機会への対応

地球温暖化や気候変動の影響により、コーヒー豆の収穫量の変動や栽培に適した地域の減少、コーヒー豆生産者の減少など、生産活動に深刻な影響を及ぼしています。
2025年2月期より経営層や社員が調達先の1つであるブラジルのコーヒー豆農園を訪問し、児童労働や強制労働などの人権侵害が行われていないか、環境に配慮した農業経営がされているかなどを現地で確認をしています。
株式会社コメダではサステナブル調達基準を満たした農家のコーヒー豆のみを使用するとともに、コーヒー豆生産者への継続的な支援を目的にブラジルの女性農園主を応援するプロジェクトを継続しており、プロジェクトの参加者には持続可能な農業について学ぶ機会を提供するなど、将来的なコーヒー豆農園主の担い手を拡充し、経営の健全性及び栽培環境の持続可能性に寄与する活動を行なっています。

※関連情報はこちらをご覧ください。
https://komeda-holdings.co.jp/responsible-procurement/

リスク管理

当社グループでは、気候変動によって受ける影響を把握するためのシナリオ分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。
気候変動への対策は各年度の期初に各グループ会社およびその事業本部ごとに目標を設定し、毎月その進捗の報告会を実施しています。事務局となるサステナビリティ推進部が取り組みを評価・管理し、案件に応じて四半期に1回以上、サステナビリティ委員会にて取締役会への報告・提言を行っています。
また、気候変動リスクをグループ全体のリスクとして捉え、リスク対策委員会がそのリスクマネジメントを行っています。
当社グループでは、経営に影響を及ぼす各種リスクについて、リスク・コンプライアンス規程に基づき設置されるリスク対策委員会において、毎年、経営に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行い、そのリスクへの対応策について議論を行うとともに、同委員会において四半期に1回、その進捗状況を確認しています。リスク対策委員会は代表取締役社長CEOを委員長とし、委員長が選任する委員によって構成される社長直轄の組織であり、総務部を事務局としてグループ全体のリスクの把握・評価・予防、発生時の対応・再発防止に努めています。

指標と目標

当社グループでは、気候変動への対策として、CO2排出量(スコープ1・2・3の合計)を2031年2月期には2016年2月期対比50%削減、2051年2月期に実質ゼロを目標として掲げています。目標達成に向けた取り組みを推進するため、CO2排出量(スコープ1・2・3)の算定をおこなっています。

2026年2月期のCO2(t-CO2)排出量
()内の数値は2016年2月期に対する増減率を記載しております。

項目 排出量
(t-CO2)
対象範囲
スコープ1 3,197
(43.8%)
直営店舗、工場、事務所のガス、営業車のガソリン、物流で使用するドライアイス、空調や冷媒のフロンガス
スコープ2 5,248
(135.7%)
直営店舗、工場、事務所の電気
スコープ3 178,648
(75.2%)
FC店舗含むサプライチェーンにかかわる排出量
合計 187,093
(75.8%)

※海外店舗含む

総CO2排出量およびCO2排出原単位指数

CO2排出量削減の取り組み

再生可能エネルギーの導入

当社グループでは、気候変動の緩和のため、再生可能エネルギーの導入を推進しています。2026年2月期には直営店5拠点へ再生可能エネルギーの導入を行い、グループ全体の導入拠点数は27拠点となりました。これにより、当社グループのスコープ2における使用電力のうち、再生可能エネルギーの割合は40.8%となりました。

太陽光パネルの設置

再生可能エネルギーの導入に加え、太陽光パネルの設置も進めています。
工場や店舗を中心に32拠点(FC店舗含む)に設置しているほか、店舗屋根や駐車場上部を太陽光パネル設置場所として提供するオンサイトPPAのあっせんも進め、CO2排出量の削減とともに店舗の電気料金の低減にもつなげています。
2026年2月期は新たに九州コーヒー工場に太陽光パネル設置するとともに当社グループ内で初の蓄電池を導入しました。年間で57.6t/のCO2排出量の削減を見込んでいます。

資源循環と廃棄物削減の取り組み

株式会社コメダでは、資源循環の推進と廃棄物削減を通じた環境負荷の低減に取り組んでいます。愛知県では、パン工場から発生するパン残渣を鶏の飼料として再利用し、その飼料で育った鶏が産んだ卵を店舗のモーニングメニューで提供する「食品リサイクルループ」を構築しています。 また、コーヒー工場から排出されるコメダブレンド抽出後のコーヒー粉は、物販商品の染料に使用したり、たい肥、敷料として活用することで、97.2%を再利用しています。 さらには、コーヒー豆の輸入時に使用する麻袋を地域の動物園へ提供し、動物たちの寝床や遊具などに活用するなど、資源循環の取り組みにより約2,100tの廃棄物削減につながっています。

省エネへの取り組み

長寿命で、水銀を含まず、CO2排出量を削減できるLED照明への切り替えを順次進めています。
これまでに570店舗以上でLED照明を採用することによって、2,200t以上のCO2排出量を削減しました。
環境負荷の低減とともに、お客様により快適にお過ごしいただけるよう、店内の照度を調整し、快適性につなげています。 また各業態に合わせたデザインを採用するなど、くつろぎのひと時を演出しています。

廃油の再利用

資源循環とCO2削減を目的に、店舗で発生した廃油をSAF(※)やバイオ燃料として活用する取り組みを始めました。2026年2月期には直営店26店舗で20,210L回収し、16,168LのSAF等生産量、44,076kgのCO2削減相当量に貢献しました。CO2排出量の少ない燃料に再資源化することで、廃棄物削減と脱炭素社会の推進につなげています。また、お客様から廃油を回収し、バイオ燃料として再利用する取り組みも行われています。地域の方々とともに資源を循環させる活動として広げていきます。
※都市ごみや廃油、サトウキビ、トウモロコシ油などを原料とした、持続可能な航空機用の燃料(Sustainable Aviation Fuel)のこと

プラスチック削減への取り組み

適切に処理されなかったプラスチックごみによる海洋汚染の防止や、製造や焼却時に出るCO2排出量削減を目的にプラスチックの削減に取り組んでいます。
持帰り容器・ストロー・食品包材・物販商品の包材をバイオマスプラスチックへの置換えやサイズの縮小を推進しています。2026年2月期は6.7tの削減につながりました。

コメダの森 保全活動

CO2排出量の削減だけでなく、CO2を吸収する森林の保全活動にも力を入れています。店舗の内外に木材を多く使用する当社グループだからこそ、森林を守り育てていく必要があると考えています。2017年から、三重県菰野町の企業の森活動に参画し、「コメダの森保全活動」に取り組んでいます。近年ではお客様やFC加盟店もコメダの森を訪れ、社員とともに間伐や植樹を行い、約12haが整備されています。
この活動によってCO2吸収量は年間91t-CO2となるなど、脱炭素社会への地道な取り組みを続けています。